『第四境界』一周年記念作品──
天王洲アイル寺田倉庫で行われた
世界初の「侵蝕型体験イベント」
第四境界の設立一周年記念として、天王洲アイル寺田倉庫で実施された、世界初の「侵蝕型体験イベント」。一つの会場で複数のARGが同時展開され、オンラインでの参加も可能という、唯一無二の体験を生み出した。
本イベントは、どのような経緯で生まれたのか。総監督を担当した藤澤仁に、その舞台裏を訊ねた。
インタビュー
総監督 藤澤仁
リアルイベントを開催することになったきっかけを教えてください。
『第四境界』の始まりは2024年の4月だったんですが、初年度から非常に大きな注目を得られたこともあって、一周年のタイミングで「交錯員(※1)の皆さんに何か恩返しがしたい」、「一度みんなでリアルで集まってみたい」という想いが強かったんですよね。
ただ、自分が思っていたのはこんな大掛かりなイベントではなく、もっとカジュアルな、展示と物販とトークイベント、程度のつもりだったんですが、知らないうちにクリモト君(※2)が暴走して、異常な大規模イベントへと膨れ上がっていました。なんでなん。
(※1)交錯員…第四境界作品のプレイヤーの総称
(※2)クリモト君…第四境界に所属するクリモトコウダイ氏のこと。本イベントの総合プロデューサー

「東京侵蝕」の中ではさまざまな企画が展開されていました。今回の内容はどのように決まり、どういった流れで構成されていったのでしょうか?
最初に決まっていたのは『第四境界ヒストリー』の展示と『事故物件鑑定士試験』だけで、自分の希望もあって『かがみのリアル表現祭』はやりたい、というくらいは話してましたかね。あとは、なにか見栄えのする作品が必要だという観点から『残置物展』の企画が生まれて、「イベント合わせのリアルタイムARGも一本やりましょう」とクリモト君が言っていて、圧倒的に反対してたんだけど押し切られる格好で『交錯≠少女』が生まれたような気がします。若干当時のことは記憶喪失気味になってますが。


八本木先生の来訪や金澤かなの出現など、当日のサプライズ演出も大きな話題となりました。こうした仕掛けは、企画当初から構想されていたのでしょうか?
いやいや、イベント中は結構アドリブで行われてる部分が多かったですよ、AMGYたちの立て看板とかも、途中で「ここに立て看板ほしくない?」みたいな話で即発注、みたいな流れだったし、モニター展示とかも後から追加されていましたね。
『リアル表現祭』の導線も、初日は結構人の滞留があったので、その晩にみんなで協力して導線をつくりなおしたりして、文化祭みたいで楽しかったですね。イベントって、やりながら成長させていくものなんだなあというのを実感しました。

物販も大盛況でしたね。特に粗品タオルは反響が大きく、在庫切れになったと伺いました。ほかにも注目を集めていたアイテムはありましたか?
まったく告知なく新商品が売ってるというのが面白かったですね。『かがみの令和7年度版施設案内』とか『人のカレンダー』とか、気づく人はしっかりと気づいてくれていて、実はイベント期間中に一番売れた商品が『人のカレンダー』だったんだそうです。
とにかく初日から商品がとてつもない勢いで売れていくので、「これ最終日まで在庫持つのか……?」と不安でした。実際一部の商品は売り切れてしまいましたが、なんとか最終日まで売り物が残っていてくれてよかったです。開催中にXでもポストしましたが、グッズの売上があのイベントを支えてくれました。あれがなかったら、第四境界の皆は今頃もうこの世にはいなかったかもしれません。本当にありがたかったです。



総監督ご自身が会場を歩いて回っていたのが印象的でした。現地で実際に見て、特に心に残った出来事はありますか?
『第四境界』の作る世界って、あんまりリアルの世界で行われることがなかったので、実際に楽しそうに遊んでくれている人の顔を見られたことが嬉しかったんですよね。それが一番の収穫だったと思います。
あと、これも開催前から冗談半ば本気半ばという感じで言っていたことですが、「自分の生前葬だと思ってやる」という気構えでやってたので、自分で自分の葬式を準備して会いたい人に会える機会を作るのって、きっとこんな感じなんだろうなあと、変な意味でなかなか感慨深かったです。でも、長生きできるように健康に気をつけたいと思います。
次回の“侵蝕”について、何か予定されていることがあれば教えてください。
現状はないんですが、どうせクリモト君があり得ない計画をしてまたやることになるんだろうと思います。ご要望は是非クリモト大プロデューサーまで。
余談ながら、イベント終了後にメンバー全員の前でも話したことですが、『東京侵蝕』というイベントは、自分の人生全体を通してみても、唯一無二の大切な経験をさせてもらえた機会だったと思っています。それは自分だけじゃなくて、メンバーのみんなにとっても、きっとそうだったんじゃないかと思います。
ご来場いただいたみなさんにも、ネット越しに参加していただいたみなさんにも、ご支援いただいたスポンサーの皆様にも、一緒に最後までやり切ってくれた仲間たちにも、本当に心からの感謝をしています。「全面的にやってよかったイベントだった」と、そう総括しています。ありがとうございました。


