前代未聞のホラー×飯テロ
食堂に囚われた少女を救い出す
大人気シリーズの第二弾
チャット型ミステリーARG「幽拐エレベーター」の反響を受け、続編として公開された「幽拐食堂」。「料理とキャラクター性に癒された」とホラー作品としては異例の感想が多数寄せられた、プレイ回数30万回を超える本作品はどのように制作されたのか。制作を担当した音納夜と開発を担当した金城陽太に、その舞台裏を訊ねた。
インタビュー
シナリオ部門 音納 夜
担当された箇所について教えてください
企画当初のブレストから、ゲーム内容の考案、テキスト制作に加えて画像や音源の作成など幅広く担当しています。ロケ撮影やカレー試食会への参加まで、日常業務ではなかなかできない貴重な体験もたくさんさせていただきました。
本企画が始まった経緯を教えてください
前作『幽拐エレベーター』をたくさん遊んでいただいているのを見て、「続編を作ろう」という話し合いが社内で始まりました。色々と案が出ていたのですが、藤澤(総監督)が「次は食堂で」と言ったことで、すぐに舞台は決まりました。
それからは、すぐにロケ地を探したり、メニューを考案したりというスピード感でした。
「ホラー×飯テロ」というコンセプトに至った経緯を教えてください
はじめはもっとあっさりとした食レポだったのですが、今泉(※)から「ここは振り切って、つむぎのキャラを立てよう」というアドバイスがあって、今の「食を愛するつむぎちゃん」になりました。この子なら、これからどんな怪異と出会っても大丈夫そう、という安心感がありますね(笑)。
『幽拐シリーズ』は、藤澤が掲げる「あんまり怖くないホラー」を目指して作られました。色々とあって「飯テロ×ホラー」という方向性が生まれたことで、「ホラーは苦手だけど食レポのおかげで楽しく遊べた」という感想も多くて、社内みんなで喜びました。
(※)ストーリーノートのシナリオライター今泉麻奈美のこと。第四境界ではクリエイティブ・チーフを務める。
「幽拐カレー」はどんな流れで生まれたのですか?
食堂をモチーフにする、と決まっていたので、何かフードのグッズを作りたいとなりました。試食会では、何種類かの味の候補の中から、みんなが一番おいしいと思った味が選ばれました。実際に本当に美味しいので、味の良さでリピートしてくださる人も多いみたいです。

第四境界公式サイトから購入可能。ランダムステッカー付き。
作品中に登場するメニューは、フードディレクターのHiDeKiさん(※)に実際に作っていただきました。料理そのものだけでなく、盛り付けや使用するお皿の種類なども細かくこだわってくださって、幽拐食堂の世界観が現実になり感動しました。
お蔵入りになってしまったメニューもあるので、いつかリアル幽拐食堂でお披露目できたらいいな、と思っています(笑)。
(※)料理デザインをてがけた、フードディレクターのHiDeKi氏のこと

メニューの一部。右図は、実際に食堂で提供されている様子を映したもの。
つむぎちゃんのデザインはどう決まったのですか?
つむぎのデザインが生まれたのは、完全にみなさまのおかげだと思っています!
「幽拐エレベーター」では、主人公の橘つむぎに自撮りを要求している人が多かったので(笑)。
デザインを担当してくれたNOCOさん(※)は、こちらのイメージを的確に汲み取ってくださり、かわいくて表情豊かなつむぎを描き上げてくださいました。これで、つむぎの解像度がグッと上がり、より一層愛されるキャラクターになったと思います。
(※)橘つむぎのキャラクターデザインをてがけた、イラストレーター / キャラクターデザイナーのNOCO氏のこと

苦労した点や工夫した点があれば教えてください
ゲームの難易度設計には大いに悩みました。探索箇所の数、ひらめきの難易度、ヒントの出し方……藤澤や原(第四境界のミステリーデザインチーフ)と何度も相談しながら、ストレスがかかりすぎず、でも達成感のある、ちょうどよいバランスをひたすら探り続けました。リリース後にみなさまの「ちょうどよい」という声を聞いて、心底安心したのを覚えています。
他に工夫したこととしては、考察の余地を残すことでしょうか。要素は散らばっているので、好きなようにつなぎ合わせて自由に想像してほしい、と思っています。
はたしてこれからつむぎはどうなってしまうのか……!
今後の彼女の活躍を、一緒に見守ってもらえたら嬉しいです!

実際に少女とやりとりをしている画面。ゆる絵アイコンが愛らしい。
インタビュー
開発部門 金城陽太
担当された箇所について教えてください。
チャットシステムとギミックの実装を担当させていただきました。前作『幽拐エレベーター』のフィードバックをもとに、UI/UXの改善もしました。特に、周回プレイのためのベルはたくさん鳴らしていただけたと思います!
総プレイ数30万回達成と、みなさまにたくさん楽しんでいただけて本当に嬉しいです。
開発はどのように進めていきましたか?
まず着手したのは、フィードバックにすぐに対応できる仕組み作りです。スピーディーな開発が求められたので、ボリュームアップした今作では必須の要件でした。
既存のチャットシステムなどの機能は、プランナーが実機で確認しやすく調整。私自身は新しいギミックの開発に集中できるように設計。とにかく全員がクリエイティブに取り組める環境を整えました。
当初は不安はありましたが、『幽拐食堂』の設計はスムーズに進み、メンバーのクリエイティブをお手伝いでき大変光栄でした。
今作でもいくつかの課題はありますが、それらは次回の開発に活かしていきたいですね。
実装でこだわった部分、工夫した点はありますか?
やはり、電話ギミックですね。藤澤と制作担当の音納の「次は音を使ってみたい」というアイデアから生まれたのが電話でした。
このギミックの工夫として、雰囲気を壊さないUIや、実際に電話に出た感覚になるような音の出し方を調整しています。実装時には、イロコトさん(※)のエンジニアさんにもお力添えいただき、大変助かりました。
みなさまの反応がどうなるかドキドキでしたが、結果的に作品の没入感を高めるエッセンスになったようで、SNSの感想をみてホッとしたのを今でも覚えています。
(※)幽拐シリーズのWeb制作まわりを支える、株式会社イロコトのこと。

実際に少女から電話がかかってくる画面。電話先でいったいなにが……?
プロジェクトを通して感じたことを教えてください。
続編である今作は、交錯員のみなさまからの声によって完成したと感じています。
『幽拐エレベーター』へのご意見、ご感想をもとに、UI/UXの改善はもちろん、次に活かすアイデアを出し合ったことをよく覚えています。
これからも、橘つむぎ、そして『幽拐シリーズ』をよろしくお願いします!




