Works実績

// 代替現実ゲーム(ARG)

Ds試験(第四境界)

CEDEC AWARDS 2025ゲームデザイン部門優秀賞 受賞作品

担当範囲
企画・脚本・制作
企画・制作
第四境界
展開媒体
Web
サービス開始日
2024.10.15
ジャンル
人材募集謎解きゲーム
公式サイト
https://www.daiyonkyokai.net/

始まりは渋谷スクランブル交差点
謎解きを通じて行われる
第四境界の〝本当の〟採用試験

『Ds試験』は大災害"虚実交錯"に備えて実施された、第四境界の人材募集謎解きゲーム。
週に一度、高難易度の謎が出題され、誰よりも早く謎を解き明かすべく、多くのユーザーがしのぎを削った。

3万人以上が挑戦したこの試験の舞台裏を、謎監修を担当した原翔馬に訊ねた。

インタビュー
謎監修 原翔馬

企画が始まった経緯を教えてください

2024年6月、「渋谷スクランブル交差点でモニター広告を出す」という一報が入ってきました。モニター広告を使った企画がこの時点であったわけではなく、この一報を受けて「モニター広告を使ってなにか面白いことはできないか?」という話になったのが企画の始まりです。「採用試験」というコンセプト自体は比較的すぐに決まりました。あとは手を動かして作るだけ。広告の放映開始に向けて、急ピッチで制作が進んでいきました。

「渋谷109フォーラムビジョン」にて放映された『Ds試験』の予告映像。

制作はどのように進んでいきましたか?

『Ds試験』では謎解きと並行して、「第四境界とは?」「虚実交錯とは?」といった第四境界の物語が少しずつ明かされていきます。物語の部分は総監督の藤澤が、謎解きの部分は眞形さん(※)と私の二人がそれぞれ担当して、分業に近い形で制作を進めていきました。ただ、完全な分業だったかというとそうではなく、例えば第8問の最後は「宇宙まで行ったあと、最後は第四境界に戻ってくるべき」という藤澤の意見を受けてあのような形になりました。

(※)『Project:;COLD』シリーズを支えるミステリーデザイナー、眞形隆之氏のこと

謎監修として参加されたとのことですが、具体的にどのようなことをしていたのですか?

謎を実際に作っていたわけではなく、「こうすればより多くの人が楽しめるのではないか?」ということを考えて、謎を調整するという役割を担っていました。眞形さんが作ってくださった謎はどれも難易度が高く、中には人類には早すぎる謎もありました(笑)。そういった謎に対して、少しでも解きやすくなるよう、細かな文言を調整したり、デザインを修正したりといったことをしていました。

難易度の調整において、気をつけた点はありますか?

今回は高度な知識を必要としつつ、なるべく多くの人が楽しめるというところを目指していました。とはいえ、難易度を下げてしまうとタイムアタックとしての面白さが損なわれてしまうので、ヒントによって難易度を調整しようと考えました。ヒントは交錯員(※)の皆様の反応を見つつ、リアルタイムで書いていたので、『Ds試験』が行われる週末は眠れない夜を過ごしていましたね(笑)。

(※)第四境界のファンネーム

制作の過程で悩んだ点はありますか?

今回は知識を使った謎ということで、謎を解かなくても知識があればスキップできてしまうという問題がどうしても出てきてしまいました。「これは謎解きとしてどうなんだろう」と最後まで悩んだのですが、あり得ないようなスピードでクリアする人が出てきても面白いかと思い、あえてスキップを許容する設計にしました。ですが、第6問で起きた事件は完全に予想外でしたね。まさか答えに直結する知識が前日に地上波で放送されていたなんて……。

わずか2分で突破されてしまった第6問。解答欄の文章を見ただけで答えを導き出した交錯員が現れ、一時騒然となった。

実際に『Ds試験』を実施してみていかがでしたか?

まず一番驚いたのは、交錯員の謎解き能力の高さです。これまでは「人の財布」シリーズのように個人で遊ぶものか、「Project:;COLD」シリーズのような全体戦しかなかったので、一人ひとりの謎解き能力がどれほどなのかというのは、正確にはわかっていませんでした。今回、最大4人のチーム戦という新しい形式にしたことで、今まで見えていなかった交錯員の新たな一面を見た気がします。

個人的に印象深かったのは『Ds試験』独特の静かな熱狂です。出題時刻の22時になるとDiscordに流れるチャットが一気に少なくなり、誰かのクリアポストが投稿された瞬間にワッと盛り上がるあの雰囲気は、他では味わえないものだったと思います。もし第2回を開催することがあれば、今回とはまた違った、新しい熱狂を生み出せるような形式を考えたいですね。